• 2022年01月21日
  • 楽曲制作

独学のトラックメイカーが教える「ミックス・マスタリング講座」【その1:アウトプット以前のお話】

初めまして。achiyochiと言います。

最近は、占い師・デザイナー・楽曲制作・イラスト・イベント企画、その他諸々…日々病みながら東京にうんこを産み落としては小銭を抱えては浪費し、小股潜りさながらの生活を送り、縁側とお庭のあるおうちで犬と猫と暮らしております。

 

さて、今回は新コーナーを立てました。そう、普段楽曲制作している僕がどういうふうにミックス・マスタリングをおこなっているのか?というお話です。

この記事を書いてくれ、という要望が非常に多かったということでシリーズとして幾つかに分けてミックス・マスタリングについて解説したいと思う。

勘違いしないで欲しいのは、僕はドチャクソプロとして活躍しているわけではないという点である。まぁ、何がプロなん?と言われると僕も分からないし、その点を語ると話が逸れてしまう。ただ、ある程度定評がある僕のミックス・マスタリングについての情報は、初心者はもちろん、特にDTM中上級者には共有しても悪影響はないだろうし、むしろ一つの参考として役に立つかもしれない。こちらにあまりごちゃごちゃ書いても仕方ないので順番に説明していこうと思う。

 

バックグラウンド

まずお伝えしたいことがある。ミックス・マスタリングというと結構地味な作業に思えるが「その人の色・思想が大きく出る」工程だと思っている。ここは履き違えないで欲しい。その人の今まで感じてきた体感が大きくミックス・マスタリングに左右する。これ専用の職業もあるくらいなので、奥が深いことには間違いないだろう。美容師みたいなものよ。それぞれに得意不得意があり、クライアントもお気に入り・お気に召さないがある世界だ。

そのために私のバックグラウンドは触っておく必要がある。

2000年代R&B、ヒップホップ、ドラムンベース、ハードコアテクノに多大な影響を受けている

私が音楽に倒錯した頃は、小学生の頃だが、まぁいわゆる宇多田ヒカルなんかがR&Bを日本に持ち込んできた時代である。CDというメディアが流通しはじめ、人々はCDという媒体で音楽を聴くようになる。

音質の話をするならば、90年代のヒップホップなどにみられる低音が効いた音質は、CDというデジタル媒体に取って代わることで大きく変わり、高音が強く、クリアなサウンドとなった。

当時発売されていたスピーカーも以前と違い高音がはっきりと出る、CDのクリアさが際立つようなスピーカー・オーディオも多かったように思う。MDコンポなんか最もたる例だと思う。みんなが手軽にそこそこのアンプリファーでデジタル音源を聴くようになる。

 

一方で当時の音楽は「スッカスカな音質ばかり」と言われることも多く、実際今でも言われている。特に2007年かな…この時はインターネットの発展によりmp3が普及し、あぁ、その前にiPodだね。それが出て、まぁ…長く語るのは置いといて音楽氷河期と呼ばれていた。CDも売れない時代だったしね。

メディアが変わるタイミング(レコード・カセットからCD、CDからデータ音源)の時代の音源は確かに試行錯誤の中でスッカスカな音源もあったかと思う。

 

何が言いたいかというと、僕は主にそういう時代の元に生まれそういう時代の音楽を聴いており、その時代の数々の商業音楽の印象から「音源とはこうあるべき」と捉えて、今でもその癖が残っているということである。

90年代のローファイ音質から00年代の音源をまたぎ、ジャンルによって、そしてその曲によってその時代の印象に落とし込んでいる。とはいっても過去の残党に縋っているわけでもなく、最新トレンドも追いかけつつ、っていうかまぁ実際それメインだけどそういうのを聴いてその音質に近づけている。

なので、一応ここに僕の普段やっているクセなんかを公開するが、みんなはそれぞれ「自分の耳」を信じて欲しい、と思う。だって、正解なんてないし、ミックス・マスタリングは終わりなき永遠の旅みたいなものだから…みんなそれぞれ、色んな音楽遍歴があると思う。その信念に沿ってまずはコンプレッサーのつまみを触って欲しい。

 

DTMを持つ前の話

僕は当時、家庭が貧困で生活保護受給者だったので、DTMは買えなかった。高校生時代、親に買ってもらったPCのライン入力で当時のブラウン管テレビから「音楽ツクール3」の打ち込み音源を録音し、フリーソフトでエフェクトや下処理をし、ミックス作業をしていた。お粗末な音源ばかりできたが、その時に「DCオフセット」「コンプレッサー」「リミッター」「マキシマイザー」などの音圧やレベリングに関する知識を力技で手に入れた。中学生の頃はそんなことせず、音楽ツクール3の打ち込みをそのままMDに取り込んでいて、高校生の頃の僕としてはこうやってPCに取り込めてエフェクトをかけられるのは画期的だった。

ちなみに当時の音源である。

ある意味で、こういう過程を踏んだから、実際にDTMを購入した時もそこまでミックスに抵抗がなかった。頭の中に思い描く音源のあり方をそのままアウトプットできた。いや、そのままは嘘だ。やっぱりソフトが変わるとなれるまで時間がかかるし、当時は「耳で聴く」ということをしていなかった。なので結構詰めが甘い。

めちゃくちゃミックス・マスタリングが上手くなる方法

実は、めちゃくちゃ簡単にミックス・マスタリングがプロ級になれる方法がある。それは…
クソ高いプラグインを買うこと
である。
身も蓋もないがそういうことである。というかこれでしかない。なので、僕は普通にそうやってクソ高いプラグインを買って、金で解決したほうがいい!!!と思う。僕がそれをできないのは、買うほどでもないな、とも思うけど、普通に金がないからである。悲しい…非常に悲しい…限界クリエーターの嘆きの声である。みんなもっと音楽聴いて。

使用機材・アウトプット前の、スピリチュアルな部分での思想

使用機材・使い方

最初に普段使っている機材を紹介。
ALLEN&HEATHのZED10のアウトをステレオでScarlett 4i4にブッ刺しっぱなしで、そのままCUBASEで録音している。音痩せの懸念はすこーし感じているが、ミキサー経由で全て収録している。だって、抜き差しがめんどくさいのと、これ、僕だけっていうのを知ったんだけど、マイクもギターもステレオで収録している…本当はモノラルの方がセンターが出るからいいらしいけど、僕は頑なにそれを拒んでいる。
だってさ、ライブとかさ、現実世界で完全にセンターってあり得る?ないでしょ?揺らいで欲しい、という理念のもと、ステレオで収録している。なので、流石にボーカルは基本的にセンターに置いてるけど、ギターやその他アナログ音源は結構LRが揺らいでいる。オーディオインターフェースもそういう設計前提のものしか使わないようにしているし、選ばない。みんなは普通にモノラルでオーディオインターフェース直差しで良いと思う。

ALLEN&HEATH ( アレンアンドヒース ) / ZED-10 アナログミキサー。壁にかけており、レターオープナー、水漏れ注意のステッカー、タロットやオラクルカードなどのスピリチュアルグッズがかけられている。全てのインプットをここに集約している。

スピリチュアル面

これ、どういうこと?怖いんだけど?と思うかもしれないが、いくつかやっていることを列挙していこう。ミックス・マスタリングの講座なのにスピリチュアルとはこれいかに?だが、ここから話していきたいと思う。
基本的に録音はミックスや音圧どうこうよりも、一番最初の「収録環境」が一番大事だと思っている。特に気にしているのは「ノイズ」「S/N比」である。
用語については解説しない。各自でわからないところがあれば検索して欲しい。

FOCUSRITE ( フォーカスライト ) / Scarlett 4i4 (gen. 3) USBオーディオインターフェイス。すみっコぐらしのチョコエッグ食玩が大量に鎮座しており、ラブラドライトのパワーストーンが置かれている。ラブラドライトはさまざまな効果があるが、基本的に集中力・原動力補完のために存在している。

環境

僕は収録する場所はどれだけ引っ越しても物を多く配置するようにしている。雑多にしているのだ。これは、音の反響を防ぐためである。
たくさんの本や、ゴミ、洋服、雑貨などを散らかしている。ただのぐうたらなのだが、結局これが一番いい音になることがわかったので、周囲には物を多くしている。逆に、外の音も若干吸収される。音を遮断する素材は高いので、こういうふうにして工夫をしている。

電源

エアコンなどは基本的に切るようにしている。物件によっては別電源になっていると思うが、念の為使っている家電はなるべく消して収録する。暖房に関しては、灯油ストーブなのでそれは常時つけておく。湿度を保ったまま温度を上げることができるので、詰まった音になりやすく、その方が個人的に好きなのでそうしている。電源周りはかなり気を遣う。収録中に例えば、エアコンの設定温度により挙動が変わるとマイクにノイズが乗ったりする。「はぁ???ごみ。」って思いながら、もう一度収録したりする。

適当に収録する

こだわりは大事だが、感覚的な部分も大事である。あまり気負いせず収録したらベストなものができたりする。今更差し替えても馴染まなかったりして、ファーストテイクの方が良かった、なんてこともある。まぁ、これはみんなあるあるだと思う。なんだか、えらくミックス・マスタリングの話と大きく逸れているが、元の音源の「質」の大切さを知っていただきたくこういう部分から記載させていただいているといった具合だ。
やっぱり緊張や力が入ってしまっている感じって音に出やすい。チルな音源なのにガチガチだとそれが伝わってしまう。音源としてよくなかったりする。なので打ち込みもそうだがあえて適当に作る時もある。でも、適当であることの大事さと難しさ、加減っていうのはその分野でも課題になることってあるよね、という部分はある。最後は自分の耳を信じよう。

目を信用しない

さっきの話に続くように言いたいが、目を信用しないこと。ここは収録よりも、実際のミックスの話だ。何dBだとか、どの帯域をカットしているとか、こういう数値的な部分はできる限り見ない方がいい。
だって、あなた、今、何を作ってる?音楽でしょ?音で判断しろ。はい問題。グラフとか数字は音楽ですか?音楽?違うよね?そのグラフとか数字、リスナーには何の意味もないよね?一方で今聞こえてる音は?それが全てでしょ?ん?あぁ?おん?????

占いに使うパワーストーンや水晶・セージを炊く・タロットカードを展開する

ここまで来たら、いよいよである。はい。パワーストーンの力を借りて、音を浄化する。クラック入りの水晶はクリエイティブな思考をサポートする。オニキスや黒水晶はノイズを遮断してくれる。セージも同じく空間を浄化してくれるので皆様に届けられる音源には邪気が無い。もちろん私の疲れも伝わらないように配慮している。
タロットカードで収録の際の方針を決める。なのでスピリチュアル的にも僕の音楽はクリアである。デジタルに多く触れる分、人類が残したアナログな文明を頼っていきたい。僕の音楽になんか悪いものがあったらマジですまん。それは僕のスピスピ不足である。それか、シンプルに音楽の中に悪意を詰めてるかのどちらかである。
以上が、スピリチュアル面である。他にも列挙することがありそうだが、メインどころはこんなもんである。

デスク環境。かなりひどい惨状だが、物が多いとそれらが音を吸収してくれる。電子部品やキセルタバコ、大量のアメスピの空箱、普段からネイルをするのでそれらの化粧用品が散らばっている。よく見ると新宿の紀伊國屋のレシートが垣間見える。デスクで普段何をしているのかがよくわかる。ティッシュは鼻かみティッシュ。。。。。。

まとめ

今回はミックスよりもっと前の収録の話をした。だが、ミックス・マスタリングはトップダウンの下の方である。それ以前の収録は、取り返しのつかない項目なのでここは外せないと思い、解説してみた。私の収録で特徴的なのは
  • ミキサー経由で全部収録している(サンプラーも含む)
  • 全部ステレオで収録している
  • 収録の際はスピってる
と言ったところである。打ち込み系は後でどうとでもなるので、個人的にはあんまり気にしなくて良いかと思う。生音メインで収録しているからこそ、気をつけているし手がかかるのでスピリチュアルも入ってくる。
ぜひ、みんなも快適なミックス・マスタリングライフを送って欲しいと思う。

独学のトラックメイカーが教える「ミックス・マスタリング講座」【その1:アウトプット以前のお話】

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