2016年10月24日
ニュース

最年少クラッカーでも犯罪は許してはいけない！子供が作ったコンピュータウイルスに対して賞賛する意見を送る人に向けて言いたいこと

初めまして！菱川です。

昨日ぐらいかなーこう言うツイート見かけました。

ドイツで13歳の子供がコンピューターウィルス作ってそれが、めちゃめちゃ流行して大問題になったとき、ドイツの新聞は「彼のしたことは犯罪だが、我々はこれほどの技術を持つ子供を生み出したことを誇らなければならない」と書いたんですよね。日本の新聞では絶対にありえないでしょ。

— eternalwind (@juns76) 2016年10月22日

これに対して

@juns76 ただの犯罪者と決め付ける日本は恥ずかしい
流石新技術の国ドイツらしい発言

— Akcell(絶望)@多☆忙 (@Akcell_KTR) 2016年10月23日

何ていうリプライが飛んじゃったりしてます。

別にそれが不快とかではないですけど、普通に考えてコンピュータウイルスを作成した事は悪い事なのになーと思ったので記事を書いてみました。どうぞお付き合いください。

まずこのツイートの元ネタ(ソース)について

最初に言っておきます。結構頑張って探したのですが…なかったよ！！！！！

僕のリサーチ力が足りなかったのか、本当にドイツだけで広がっているニュースなのかは分かりません…それか、非常に古い記事なのかもしれません。

いづれにせよ、そんなに盛り上がってるものでもなさそうだし、この一つのツイートがバズってるだけ、というもののようです。

しかもこの人、なんか…有る事無い事いっぱい言ってて、相手を煽ってるだけのようにも感じます。流行りのアンチを取り囲んで過激な発言をしているだけなのでは…とも捉えられます。

ということで、「ドイツで13歳の子供がウイルス作った」っていう情報は多分ないんじゃね？あってもローカルな情報じゃね？という結果なので、この記事の必要性もほとんどないと言ってもいいと思います…（笑）

追記:やっぱりこのネタ、ガセっぽいです！！！もうこの記事書くのやめよっかなー！

というのも悲しいものですので、一応「ドイツで少年がウイルス作ってばら撒く」という事件は普通にありえそうだし、世間的にハッカーとクラッカーを勘違いしているように思われるのでそれだけは伝えたいと思います。ちなみに、ハッカーとクラッカーの呼び方の違いにはこだわりはありませんが

ハッカー:情報技術を使っていいことをする正義の味方

クラッカー:情報技術を使って悪い事をする悪党

というふうにここでは区別させていただきます。そして、この事件はある程でお話を進めようかなとも思います！

悪い事は、悪い事だ。

シンプルな見出しを付けましたが、そういう事です。

彼は、どんな動機があったのかは分かりませんが悪意を持ってウイルスを作成し、世界中にばらまきました。これのどこが誇れる行動なのでしょうか？僕には分かりません。

ですが人々(少なくともドイツの一記者とツイートの主とその周り)はやけに賞賛しております。どうしてこのような事が起こるのでしょうか？

ルパンの法則

こういう感じどこかで見かけませんでしたか？そう、アニメ「ルパン三世」に登場する「ルパン」です。

ルパンは世界的にも有名な秘宝なんかを盗むわるーい怪盗ですが、まるで正義の味方のような、そんなふうに描かれております。

みんながみんなルパンを正義なんて思ってないと思いますが、ルパンの作戦により秘宝にまつわる真実が浮かび上がったりとか、秘宝を手に入れるまでのストーリーなどはハラハラドキドキして、とても面白いです。

そう、「面白い」んです。

ルパンの法則が適用されるのは「ユニークな人間」が「悪い事」をする事によって「面白い人」になる事を言うと思います。今回だと「13歳のドイツの子供」が「世界中にウイルスをばらまく」事によってそれが面白くすごい事だと認識させられたという事です。

しかもこのツイート、割と想像力掻き立てられる感じです。情報が少ない分「ドイツの13歳の子供がどのように感じてウイルスを作ったのか」「なぜ食い止められなかったのか」「それほど高度なウイルスを作ったのか」など、この辺はいくらでも人々の脳内で作る事ができます。

要するに、子供がウイルスを作るのは「面白い」し「何となく未来がある」感じがするのです。

なぜ僕は子供の持っている才能に対して「悪い事だ」というのか？

それは…まぁ…悪い事だからです…よね普通に考えて…

シンプルな質問をしますが、あなたは「コンピュータウイルスを撒く人」っていい人だと思いますか？

もし、この事件がおっさんだったら、特に話題にもならなかったでしょう。

人々は知らず知らずのうちに子供のハッカーだという事で「子供なのにすごい技術だ」という認識を刷り込まれています。これはちょっとした差別というか「子供というのはこうだという固定観念から生まれた差」だよね、と言えます。

僕が悪いと考える根拠として、まずはグーグルのスローガンが挙げられます。

Do the Right Thing(正しいことを行え)

これは現在のグーグルのスローガンです。以前は「Don’t Be Evil(邪悪になるな)」でしたが、変更になっております。

意味合い的には同じ感じですのでどちらでもいいのですが、誰がどう見てもごもっともな言葉だとは思います。ですが、これがあの子供に当てはまるでしょうか？

こう言う子供は、何かきっかけが無いと善人にはなれません。グーグルを含めた名だたるIT企業はこんな人材必要としづらいのでは無いかと思います。根本的に社会のルールを守れないし、強大な力をつけるとおもわしく無い方へ行使される危険もあるからです。もし採用しようと思う企業がいるなら飛んだ勘違い人事でもいるのでは無いでしょうか。

技術は確かにあるのかもしれませんが、ウイルスなんてものはkali linux何ていう言葉を知っている人からすれば割とサクサク作れると思いますし、そこまで勉強するのに子供も大人も関係無いと思います。

あと、もう一つ技術に関して言える事があるのですが、技術に対して見る価値観が日本人は少し古い事があります。

ライゾマティクスの真鍋大度さんが投稿した有名な実験動画「顔の筋肉を制御するセンサーを使って表情を変える」に対して、たくさんのコメントが寄せられましたが、日本と海外で決定的な違いがありました。

それは

日本人は「それはどういう仕組みでできているの！？」と驚くのに対し

海外は「そんなものを作って一体どう活用するんだい！？」と驚く

という違いが出てきたそうです。

日本人がどれだけ技術的思考なのかがわかる瞬間だと思います。

なのでどうしても技術に目が行くんですよね。13歳の子供がハッキングするというその「技術」に。海外では技術よりも実用の方に重きを置きます。なので普通はハッキングした事は悪だと捉えるはずです。とか言いますけどアメリカとかはこう言う展開に燃えるみたいな文化もあるのでテンションは上がってそうですけどね。日本人はどうしても一部でそういうアメリカ的な文化に憧れてる節があるので「日本はもっと見習うべき」とか言うけど見習ったらダメだからね…。

ちなみに、日本でも年少クラッカーが捕まる事例はあります。

「アノニマス憧れ」１６歳少年をサイバー攻撃容疑で送検：朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASJ5C55GYJ5CPTIL014.html

そら、褒め称えろよ。こう言う人は基本、技術アピールだったり力試しでハッキングする事が多いです。でも、そんな事するより普通になんかプロジェクトを成功させる事の方が素晴らしいと思いますけどね…でもあんまりそういうの目立たないような気もします…

それに「そうやって技術の芽を潰すような奴が日本のイノベーションを衰退させる」とか言ってるやつは、普通にバカです。ウイルスばらまいたら、それは損害でしかありません。技術があれば何でも金や高度経済の水準が上がるみたいに考えている人は、自分の無知を自覚して改めた方が良いです。